「住宅価格はまだ上がるの?」「今買うべき、それとも待つべき?」――不動産を購入・売却する方にとって、今後の価格動向は気になるところです。
特に近年は、新型コロナウイルス流行時の「ウッドショック」、ウクライナ情勢、そして現在の中東・イラン情勢など、世界的な出来事が住宅価格にも影響を及ぼしています。
今回は、こうした複数の要因から、今後の明石市の不動産市場を考えてみます。
① ウッドショックで「住宅そのもの」の価格が上昇
コロナ禍では、北米の住宅需要増加や中国の木材需要、世界的なコンテナ不足などにより輸入木材が不足し、価格が急騰しました。国土交通省も、輸入木材だけでなく代替需要によって国産材の価格も上昇したと説明しています。
その後も住宅建築には木材だけでなく、鉄・アルミ・設備機器・断熱材など多くの資材が必要です。さらに人件費や物流費も住宅価格を押し上げる要因となっています。
つまり、一度上昇した新築住宅の原価が、簡単にコロナ前の水準へ戻るとは考えにくい状況です。
② ウクライナ・中東情勢が「資材・エネルギー価格」を刺激
戦争や国際情勢の変化は、原油・天然ガス・金属などの価格や物流に影響します。
特に2026年は中東情勢を受け、国土交通省が建設業界に対して、原材料費やエネルギーコストの上昇を踏まえた適切な価格転嫁や、建設資材の安定供給への対応を要請しています。
つまり、世界情勢が不安定な間は、建築コストが大きく下がりにくいと考えられます。
③ 一方で「住宅ローン金利」は価格のブレーキに
住宅価格を押し上げる要因だけではありません。
日本銀行は金融政策の正常化を進めており、2026年6月には政策金利を1.25%としています。
住宅ローン金利が上昇すると、同じ年収でも借りられる金額が減り、「価格は高いけれど買える人が少ない」という状況になりやすくなります。
したがって今後は、**「建築費・土地価格は上がりたい」一方で、「住宅ローン金利は購入者の予算を抑える」**という綱引きが続く可能性があります。
④ では、明石市の不動産は下落するのか?
現時点では、急激な下落を予想する状況とは言いにくいでしょう。
国土交通省の2026年の不動産鑑定評価書を見ると、明石市では「住宅地に対する需要は堅調で、地価は上昇傾向」と評価されている地点があります。
一方で、別の鑑定評価では、明石市の取引価格について「緩やかな上昇から横ばいで一様でない」、取引件数は下落傾向との分析もあります。
つまり、「明石市だから全部上がる」という市場ではなく、物件による二極化が進むと考えるのが自然です。
⑤ 今後の明石市は「上昇よりも二極化」に注目
今後の明石市では、駅への距離、生活利便性、土地の形、道路条件、建物性能などによって価格差がさらに広がる可能性があります。
特に、需要の強い住宅地では価格が維持・上昇する一方、駅から遠い、土地が大きすぎる、建物の維持費が高いといった物件は、価格を下げなければ売れないケースも増えていくでしょう。
結論:明石市は「全面的な値上がり」ではなく「選ばれる物件が強い」市場へ
今後の明石市の不動産市場を一言で表すなら、**「急激な上昇より、価格の高止まりと二極化」**が有力ではないでしょうか。
資材・人件費・エネルギー価格が高いことで住宅価格には上昇圧力が残る一方、住宅ローン金利の上昇は購入者の負担を増やします。
その結果、「価格が下がるのを待てば必ず安く買える」とも、「今後も必ず上がり続ける」とも言えない難しい市場になっています。
購入を検討する方は「市況」だけを見るのではなく、その物件が将来も選ばれる物件なのかを見極めることが、これまで以上に重要になりそうです。
※本記事は2026年8月時点の公的資料をもとにした市況考察であり、将来の不動産価格を保証するものではありません。
